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2020年02月13日

DAIWA T3 をベイトフィネス用にする(かもしれない)計画(Prologue)

その昔「Phantom ZERO」で試行されたゼロフリクションレベルワンドシステムを現代に甦らせた、「T-WING SYSTEM」を搭載したダイワ渾身のベイトキャスティングリールが「T3」です。
DAIWA T3 をベイトフィネス用にする(かもしれない)計画(Prologue)

ただ、当時のファントム・ゼロがそうであったように、T3も素材やギミック的に煮詰められていないところもあり、不具合や故障と戦うことを運命づけられてしまいました。



従来のベイトリールのレベルワインダーはおおむね縦長もしくは丸型の穴で古いものは金属やハードガイドのような素材が使われていました。
当時主流のナイロンラインで使う分には特に不都合もなかったのですが、時代はPEラインに移行し、ロッドのガイドもそうであったようにラインによる摩耗に強く熱放出効率の良い素材へと変化していくことになります。

しかしながら、T3の場合正面からみたレベルワインダーの穴を「T」字にして、キャスト時にはT字の横バーの開きを利用してラインの放出抵抗を少なくし、リーリング時にはクラッチと連動したサムバーをレベルワインダーの上から蓋をするようにしてT字の縦バーの底へラインを落とし込みガイドする方法をとるためかなり複雑な形になっています。さらに、このレベルワインダーはガイドと本体が一体形成になっているため、素材の選択にはかなりの制限がかかっていることが予想できます。


そして、この「T」型のレベルワインダーのおかげで、放出抵抗の軽減と引き換えにT3は2つの弱点を抱え込むことになります。



一つ目の弱点は上記のクラッチと連動したサムバーの強度不足で、リールの落下やぶつけたりした時の衝撃によってクラッチとサムバーをつなぐ部分が折れて機能しなくなってしまいます。


幸い、現行モデルでは「T3」方式は廃止され、「T」型のレベルワインダー自体が回転する方式に変更されましたのでこの問題は解決されているようです。

大きな声では言えませんが、このレベルワインダーが回転するギミックは1980年頃A社のウルトラマグが採用していたフローティングレベルワインドの応用で、さらに言えば、後出しの「Phantom ZERO」でもこの方法でレベルワインダーを開放していいます。
以前も書きましたけど、当時の釣り具業界のカオスっぷりがうかがえるところですね(笑)

ということで、発想自体は特に真新しい技術ではありませんが、技術精度が上がった現代に復活させ、応用すること自体は良いことだと思います。



そしてもう一つ残された弱点はT-WING SYSTEM(TWS) による今後も続くであろう課題で、現行モデルも抱えている問題です。






さて、ベイトキャスティングリールのレベルワインダーに関する資料は持ち合わせていないのですが、時代背景と見た目から判断すると、おそらくはロッドガイドと同じ素材を使っているものと推察されます。

手持ちのベイトキャスティングリールを見てみても古いものは単なる金属製で90年代のものはD社にしてもS社にしてもおおむねハードガイドやセラミックっぽいものがついています。

ところが、ゴールドサーメットやSiCの普及によって一部の上位機種はこれらを採用するものも増え現在ではおそらくトータルバランスに優れているSiCが使われることがほとんどなのではないでしょうか?



ロッドガイドの素材と強度などは成書や先人のブログなどに詳しく解説されていますので割愛しますが、レベルワインダーの穴が単なる真円や楕円、長方円であれば強度やすべり、熱放出効果の高いSiCで事足りるのですが、T-WING のような複雑な形の一体形成だとSiCでは耐衝撃強度に不安が残ります。




曲げ強度の強さも加味するとおそらくゴールドサーメットのようなものかと考えています。






で、この「T-WING ガイド」の構造と素材選択が例のレベルワインダー偏り事件(過去記事)につながるわけです(笑)

賢明な方であればお気づきのことと思いますが、ゴールドサーメットはPEで削れてしまうんですよね。
さらに、TWSはレベルワインダーのガイドからラインが外れないように「T」字の底へテンションがかかるように設計されています。
通常のレベルワインドガイドであれば上下左右に余裕があり、リーリング中はガイドの中を糸が転がりますが、TWSの場合、余分な力がガイドのある1点に掛かり続け糸溝を深くしていきます。

これが二つ目の弱点です。


発売当初はメーカー内部でもおそらくこれをある程度把握していたと思うんですが、まさT字の途中で引っかかるような糸溝ができるとは思っていなかったようで、結局、対策品を出して無償交換する羽目になってしまいます。




まあ、非を認めて対策品の無償交換で対応してくださるだけまだ良心的なのかもしれませんが、現行品でもこのレベルワインダー糸溝問題は継続中の模様です。






と、ここまでD社の愚痴で引っ張りまくりましたけど、実はここからが本題だったりします。

けしてTWSがだめだと思っているわけではなくて、むしろこの技術が特許フリーになり各メーカーが採用してくれれば新たな技術進歩があるんじゃないかと期待しているくらいです。



とくに、軽量ルアーを扱う場合にはマグネットブレーキと相まって、この軽フリクションのTWSが大変有用だと思っています。




これはすでにいろんな方々が実践されていることで、2020年のダイワ新製品にもTWSのフィネスモデルが出ましたね。


ということで、今年もAPO!さんのスプーンバトルに参加することになりましたし、遅ればせながらT3をフィネスリール化すべくお試し中華スプールを購入してしまいましたwww
DAIWA T3 をベイトフィネス用にする(かもしれない)計画(Prologue)









・・・・・・つづく・・・・・・・・・・・・のか?w



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Posted by Lwing at 22:46│Comments(6)道具改造
この記事へのコメント
ベイトマスターがついに動いた!

問題解決すれば、次のスプーンバトルでも活躍するのではないかと期待しています。
次の記事も楽しみに待っています。
Posted by 雨ふらし雨ふらし at 2020年02月14日 01:48
前置き9割で本題1割……これプレゼンでやられたら、Lee間違いないなくテーブルひっくり返してます(爆)

ほぼ最終進化レベルにまで到達したスピニングに比べて、正直ベイトリールはまだまだ伸びしろ(技術進化の余地)がありそうですね。
まぁ、使う側の修練・熟達が前提のベイトリールを、まったくの素人でもノントラブルで使えるようにして売ろうってメーカーのスタンスが間違ってるんですが(^^;)
それでも、技術の進歩とメーカーの取り組みには頭が下がりますね。ダイワのマグシールド以外は!(爆)
Posted by Lee@AK47 at 2020年02月15日 12:46
フムフム

つまりリールを巻いた時にカリカリ音を鳴らしたい訳ですな(笑)
Posted by T.TT.T at 2020年02月16日 18:44
雨ふらしさん、
ベイトマスターではありません^^;
問題は解決しそうですので、次回報告させていただきます(^^)
Posted by LwingLwing at 2020年02月16日 21:39
Leeさん、
こうして前置だけで無駄なページを割くような性格なので効率のいい釣りが出来ないんですよね(笑)

道具の進化は見ていて楽しのですが本人の退化が進んでいるので現行品は使いこなせなくなっています(^^;)
Posted by LwingLwing at 2020年02月16日 21:46
T.Tさん、
実はカリカリ計画も画策中です(*-∀-)ゞ
Posted by LwingLwing at 2020年02月16日 21:47
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